健康食品・化粧品・医薬部外品に関する商品・サービスの広告作成の担当者にとって薬機法は、避けられない悩みの種かもしれませんね。
効能効果をズバリ表現することはNGというのは知っていても、他にどんな表現をするとNGになってしまうのかまでは解らない、判断できないという方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、健康食品に絞った、薬機法の正しい知識とライティングをする際に注意が必要なポイントをお伝えしたいと思います。
法律には改定があるため、今後も永久にこれでOKということはありませんが、現在の基準に沿った考え方で紹介します。
薬事法とは何なのか?
まず、薬機法(医薬品医療機器等法)とは、「医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品の品質、有効性、安全性を確保するために必要な規制を行う法律です。
これらの製造や販売、流通、広告表示、薬局等の開設についても細かい規則が定められています。
難しいですね・・・・
健康食品は入っていないけど薬機法の対象外?
いわゆる健康食品やサプリメントは、上記の5種類には含まれません。
じゃあ、薬機法は気にしないで自由な表現で広告作成をしても大丈夫かというと、そんなことはありません。
医薬品と誤解されるような効能や効果を謳ったり、それに近い表現をすることで相手に、正しい治療を受けさせる機会を妨げる恐れがあるとして、薬機法が適用されます。
健康食品だからと言って安心は禁物!注意が必要です。
健康食品が薬機法違反となる判断はどこ?基準は?
前記のように健康食品は、薬機法は適用されません。
かといって何でもかんでもOKとし、野放し状態にする事もできません。
やはり基準を設ける必要があります。
その基準が、昭和46年に制定された無承認無許可医薬品の指導取締りについて(通称46通知)の中で「医薬品の範囲に関する基準」として定められています。
健康食品は、医薬品の世界に入り込むようなことをすると、無承認無許可医薬品と捉えられ、薬機法に抵触します。
じゃあ、その判断基準はどこにあるのでしょうか。
薬機法違反となる判断基準(46通知より)
1、 物の成分本質(原材料)
健康食品はあくまでも食品なので、医薬品として使用される成分や原材料は使用できません。使用することで薬機法に抵触してしまいます。
→(医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト)
2 医薬品的な効能効果
健康食品はあくまで食品なので、病気を治せる事は出来ないというのが基本的な考え方です。治る・効く・予防する等の表現は相手の誤解を招く恐れがあるためNGです。
又、身体の組織機能の増強、増進、効能効果の暗示も同様にNGとされます。
健康の強化や治療、予防を思わせる記載は避けましょう。
(例)疾病の治療又は予防を目的とする効能効果
糖尿病・高血圧・動脈硬化の人に効果的。ガン予防に・胃・十二指腸潰瘍・肝障害・腎障害の予防に。便秘症が良くなる。等
(例)身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効能効果
筋力を高める・体力増強・食欲増進・新陳代謝を盛んにする・消化活動を盛んにする・成長促進・ 自然治癒力が増す・疲労回復・老化防止、若返る・痩せる・病中・病後に。等
「病中、病後の~」という言葉を含むと文脈上、治療に役立つというニュアンスになるので、注意が必要です。
※栄養補給、健康維持等に関する表現はOKです。
(例)医薬品的な効能効果の暗示
・名称やキャッチフレーズより暗示するもの
延命○○、○○の精(不死源)・○○の精(不老源)・薬○○・不老長寿・百寿の精・漢方秘法・皇漢処方・和漢伝方。等
・ 含有成分の表示及び説明よりみて暗示するもの
体質改善、健胃整腸で知られる○○○を原料とし、これに有用成分を添加、相乗効果をもつ。等
・製法の説明より暗示するもの
本邦の深山高原に自生する植物○○○を主剤に、△△△、×××等の薬草を独特の製造法(製法特許出願)によって調製したものである。等
・起源や由来等の説明より暗示するもの
○○という古い自然科学書をみると胃を開き、欝(うつ)を散じ、消化を助け、虫を殺し、痰なども無くなるとある。こうした経験が昔から伝えられたが故に食膳に必ず備えられたものである。等
・新聞、雑誌等の記事、医師、学者等の談話、学説、経験談などを引用又は掲載することにより暗示するもの
医学博士○○○の談
昔から赤飯に○○をかけて食べると癌にかからぬといわれている。
…癌細胞の脂質代謝異常ひいては糖質、蛋白代謝異常と○○○が結びつきはしないかと考えられる。等
3 医薬品的な形状
健康食品も近年数多く製造販売されており、形状も錠剤形、カプセルタイプ、ドリンクタイプなど様々ですが、アンプル形状など通常の食品として流通しない形状を用いることで医薬品と誤認させる恐れがあることからNGとされます。
他にも舌下錠、スプレー管に充填して口内に噴霧するものも同様にNGです。
4 医薬品的な用法用量
医薬品は、疾病に対し治療や予防効果を目的にしているため、安全性の確保を考慮し必ず服用時期・服用間隔・服用量等の詳細な用法用量を定めることが決められています。
それに対し健康食品は、あくまでも食品なので、「食前」「食後」「食間」など、摂取時期や量の指定、飲む対象者の指定は、医薬品であるかのように誤解させる恐れがあるため、表現することはNGです。
NG例
食前に・食後に・1日2粒お飲みください・1日1回・更年期の女性に・就寝前に・・・等
OK例
1日2~3回を目安に・1回目安2~3粒 ・更年の女性に人気です。等
薬機法で許可される効果効能の表現範囲
【健康食品】「補給」・「維持」・「保つ」・「守る」まで
【化粧品】「美しくみせる」「隠す」まで
【医薬部外品】「防ぐ」まで
【医薬品・医療機器】「治す」
基本的に健康食品で言及できる表現は「(栄養を)補う・補給する」「(健康を)維持する・保つ・守る」です。
但し、表現も文脈によってはNGとなることもありますし、使用している画像、イラストによってもNGとされる場合があります。
他にも、お客様の声であっても、効果効能を語ることはNGとされます。
ここまで、ザっと、健康食品における薬機法のルールの説明をして参りましたが、まだまだ奥が深く、ケースbyケースにもよるのでOK,NGの判断は、とても難しいのです。
又、ここまで見て分かる通り、許される範囲内で表現しようとすると何とも訴求力が薄い、掴みどころがない弱い感じを受けますよね。
法を遵守し、訴求力のある表現にしたい場合は、効果効能を謳わない且つ心を掴む表現に言い換える必要があります。
それが出来れば苦労はないのですが、それが中々難しい・・・
「どうしても言い換えが思いつかない」「判断が難しい」「薬機法に詳しい人が側にいない」「広告内容が法律に抵触していないか不安だ」など、そのような時は、是非私共をご利用下さい。
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