健康食品広告と薬事法

健康志向の高まりで、多種多様な健康食品が販売されており、Webや新聞チラシなど広告手法も色々です。

まず、薬事法で規制されるものとは、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の4種に対してなので、健康食品は直接薬事法で制限を受けるものではありません。

ですが、「薬事法の世界に入り込むこと」をすると薬事法違反となってしまいます。

では、具体的に健康食品がどのような広告をするとNGとなってしまうのか、ご参考までにご紹介いたします。

 

薬事法違反となる判断基準「46通知」

繰り返しになりますが、健康食品は「医薬品の世界に入り込む」ことをすると無承認無許可医薬品と捉えられ、薬事法に抵触します。

 

そこで、健康食品が「医薬品の世界に入り込む」ことをしているかの判断は「46通知」を基準としています。

昭和46年に施行されたので、通称「46通知」と言われています。

そして、その判断基準の内容はというと・・・全文を紹介するととても長くなってしまいますので、要点を絞って紹介していきます。

 

①  物の成分本質(原材料)からみた分類

物の成分本質(原材料)が、専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)であるか否かについて、別添1「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いについて」(以下「判断基準」という。)により判断することとする。

としていますが、簡単にいうと、医薬品でしか許可されていない成分や原料を使用するのはNGということです。

 

②  医薬的な効能効果の解釈

その物の容器、包装、添付文書並びにチラシ、パンフレット、刊行物等の広告宣伝物あるいは演によって、次のような効能効果が表示説明されている場合は、医薬品的な効能効果を標ぼうしているものとみなす。また、名称、含有成分、製法、起源等の記載説明においてこれと同様な効能効果を標ぼうし又は暗示するものも同様とする。

としています。

簡単にいえば、医薬品的な効能効果を謳うことはNGということです。

これについては、言うまでもなくご承知のことと思います。

具体的な例は、

(一) 疾病の治療又は予防を目的とする効能効果

(例) 糖尿病、高血圧、動脈硬化の人に、胃・十二指腸潰瘍の予防、肝障害・腎障害を治すガンがよくなる、眼病の人に、便秘が治る等・・・です。

 

(二) 身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効能効果

(例) 疲労回復、強精(強性)強壮、体力増強、食欲増進、老化防止、勉学能力を高める、回春、若返り、精力をつける、新陳代謝を盛んにする、内分泌機能を盛んにする、解毒機能を高める、心臓の働きを高める、血液を浄化する、病気に対する自然治癒能力が増す、胃腸の消化吸収を増す、健胃整腸、病中・病後に、成長促進等・・・

ですが、あくまでも、健康食品は食品であるので利用目的は、健康維持、栄養補給とされています。

 

(三)医薬品的な効能効果の暗示

(a) 名称又はキャッチフレーズよりみて暗示するもの

(例) 延命○○、○○の精(不死源)、○○の精(不老源)、薬○○、不老長寿、漢方秘法、

(b) 含有成分の表示及び説明よりみて暗示するもの

(例) 体質改善、健胃整腸で知られる○○○○を原料とし、これに有用成分を添加、相乗効果をもつ等

(c) 製法の説明よりみて暗示するもの

(例) 本邦の深山高原に自生する植物○○○○を主剤に、△△△、×××等の薬草を独特の製造法(製法特許出願)によって調製したものである。等

(d) 起源、由来等の説明よりみて暗示するもの

(例) ○○○という古い自然科学書をみると胃を開き、欝(うつ)を散じ、消化を助け、虫を殺し、痰なども無くなるとある。こうした経験が昔から伝えられたが故に食膳に必ず備えられたものである。等

(e) 新聞、雑誌等の記事、医師、学者等の談話、学説、経験談などを引用又は掲載することにより暗示するもの

(例) 医学博士○○○○の談

「昔から赤飯に○○○をかけて食べると癌にかからぬといわれている。

………癌細胞の脂質代謝異常ひいては糖質、蛋白代謝異常と○○○が結びつきはしないかと考えられる。」等

としています。

ハッキリと効能効果を謳っていなくても、何となくそう解釈できる、示唆している場合でもNGの恐れがあるということです。

 

③  医薬品的な形状の解釈

錠剤、丸剤、カプセル剤及びアンプル剤のような剤型は、一般に医薬品に用いられる剤型として認識されてきており、これらの剤型とする必要のあるものは、医薬品的性格を有するものが多く、また、その物の剤型のほかに、その容器又は被包の意匠及び形態が市販されている医薬品と同じ印象を与える場合も、通常人が当該製品を医薬品と認識する大きな要因となっていることから、原則として、医薬品的形状であった場合は、医薬品に該当するとの判断が行われてきた。

としています。

現在は、錠剤、丸剤、カプセル剤などの形状はOKですが、舌の上でゆっくり溶かすような、舌下錠や、アンプル形状のものはNGとしています。

 

④  医薬品的な用法用量の解釈

医薬品は、適応疾病に対し治療又は予防効果を発揮し、かつ、安全性を確保するために、服用時期、服用間隔、服用量等の詳細な用法用量を定めることが必要不可欠である。したがって、ある物の使用方法として服用時期、服用間隔、服用量等の記載がある場合には、原則として医薬品的な用法用量とみなすものとし、次のような事例は、これに該当するものとする。ただし、調理の目的のために、使用方法、使用量等を定めているものについてはこの限りでない。

としています。

要するに、薬のように、一日1錠や、食後にお飲みくださいなど、飲むタイミングや量を指定することはNGということです。

例えば、1~2粒を目安にお飲みください。2粒程度を目安にお飲みいただくことをおすすめします。ならOKです。

 

ここまでいろいろと紹介して参りましたが、まず、ライターさんが関係してくるのは、

②医薬的な効能効果の解釈と④医薬品的な用法用量の解釈ではないでしょうか。

しかし、注意するのはこれだけだはありません。

広告表現がOKかNGの判断は、景表法や健増法も絡んできます。

言うなれば、広告全体の内容を関連法規の視点で総合的にチェックされるということですね。

広告作成は単純ではありません、いろいろと注意することがあり、なかなか奥が深いものです。

 

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