「除菌」「抗菌」「殺菌」とは?違いは?

コロナ禍、店頭やネット通販では、様々な菌やウイルスへの対策グッズが販売されていて、自分の生活スタイルに合わせ、いろいろと利用されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そんな菌やウイルスへの対策グッズですが、製品の種類によって「除菌」「抗菌」「殺菌」の広告表現が規制されています。

 

 

 正直、「除菌」「抗菌」「殺菌」の違い、そしてどんな効果が期待できるのかわかりづらいですよね。

 

私共にも、コロナの影響なのか、これら製品の広告チェックを昨年から多数ご依頼いただいております。

そこで今回は、これらの言葉の意味と違いを解説していきたいと思います。

 

製品によって広告で言える言葉が違う

製品の説明として「除菌」「抗菌」「殺菌」を使う場合、この3つの言葉のうち「殺菌」だけは薬機法によって効果が認められた医薬品または医薬部外品にしか使えません。

ちなみに医薬部外品とは医薬品に比べて効果が緩やかなもので、一例として薬用化粧品・薬用せっけん・コンタクトレンズ装着液などが該当します。

一方、「除菌」や「抗菌」という言葉は、薬機法の規制を受けないため、洗剤やアルコールスプレーなど、生活雑貨品(雑品)にも使える言葉です。

 

除菌・抗菌・殺菌の違いと意味

「殺菌」「除菌」「抗菌」の3つの言葉の意味は以下のとおりです。

正しく理解して、快適で健康な暮らしは勿論、広告作成にお役立てください。

 

「殺菌」とは?

殺菌とは文字通り「細菌やウイルスを殺す」効果のことです。

ただし、死滅させる菌の種類や死滅させる量に明確な定義はありません。

例えば、90%の菌が残ってしまっても10%の菌が死滅していれば「殺菌」と謳うことができます。

「殺菌」という言葉は、薬機法の規制対象となる消毒薬などの医薬品と、薬用せっけんなどの医薬部外品のみに使用できる表現です。

ただし、製品に殺菌効果があったとしても、薬機法によって効果が認められていなければ「殺菌」という表現はできません。

 

「除菌」とは?

除菌の意味は、「菌を取り除く」ことです。

「殺菌」することも除菌に含まれますが、医薬品や医薬部外品以外では「殺菌」を謳えないので、雑貨製品(雑品)でこの表現がよく使われており、薬局やホームセンターなどでもよく見かけます。

製品の一例として、食器用洗剤や洗濯用洗剤、アルコールスプレー、清拭用クロスなどがあります。

 

「抗菌」とは?

抗菌の意味は、「菌の増殖を抑制する」こと、つまり菌が住みにくい環境を前もってつくることや、寄せ付けないことを意味します。

殺菌や除菌のように、直接菌を殺したり取り除いたりする効果ではなく、菌の増殖を抑制したり、阻害することをいいます。

昨今、便座やソックス、食器用スポンジなど抗菌効果を謳う抗菌グッズが増えています。

 

滅菌と消毒

医薬品・医薬部外品だけに使える言葉として、「殺菌」のほかに「滅菌」「消毒」という言葉もあります。

 

滅菌とは、「あらゆる菌を殺菌する」ことで、とても強力です。

日常生活ではあまり耳にする機会はないと思いますが、病院で使用する手術器具や注射には滅菌が必要とされます。

 

消毒とは、病原性のある微生物を死滅・除去させて害のない程度にすることです。

前述の「殺菌」に似ていますが、消毒の目的はあくまで「無毒化」であり、必ずしも細菌を死滅させていなくとも、病原体の感染力を不活性化させたり、病原体を危険ではない程度まで遠ざけることも無害化にあたるので消毒に分類されます。

この「消毒」という言葉も殺菌と同様に、薬事法の規制を受ける言葉で、「医薬品」や「医薬部外品」のみに使用できます。

 

補足として、雑貨製品(雑品)の広告チェックをしていると、「不活性化」という表現を使っているケースがありますが、行政では、殺菌、消毒と同じ意味を持つとしてNGとしていますので注意が必要です。

 

効果や法律によっていろいろな言葉が使い分けられていますが、その言葉から受けるイメージと実際の効果の差が大きいこともありますよね。

それぞれの言葉を正しく理解し、適切な対策グッズを選ぶことの大切さ、そして行政からの指導取り締まりのターゲットにならないための広告作成に活かしたいものです。

 

~お知らせ~

当社では、薬機法・景品表示法・健康増進法など広告関連法規の視点から広告媒体をチェック・リライト致します。

リライトまでは必要ないという方には、チェックのみも承っておりますので、お気軽にご利用下さい。見積もりは何回でも無料!

広告の隅々まで丁寧にチェック致します。

 

その他、 広告ライティングに大変便利!「表現NG集」&「OK代替え表現集」も好評発売中!  薬事法管理者作成NG表現・OK表現集

表現のNG?OK?と迷った時や、社内スタッフのスキルアップにご活用下さい。