2002年の夏に、主として中国製(国内で製造されたものもあります…)のダイエットを目的にした食品により死者を含む多数の健康被害報告がありました。これらのダイエット食品には、成分表示に記載がない、甲状腺末やフェニルアラミンといった体に対し強く作用する成分が多量に含まれていました。
このような強い作用を持つ成分は、「専ら医薬品として使用される成分」であり、食品に利用することはできないものですが、それ以降も健康被害発生に基づく検査や各行政の健康食品買上調査等により、医薬品成分を含有する健康食品が多数報告されています。
これらを見分ける方法は現在ありません。
医薬品成分を配合した健康食品で、効能効果等を記載したものは表示違反製品です。
また、医薬品成分は検出されなくても、健康被害との因果関係が強いとして報告された健康食品もあります。特に、特定の成分を濃縮したカプセル型や打錠型の健康食品については、過剰摂取しやすいために注意が必要です。
健康食品の流入ルートは大変多岐にわたり、越境ビジネスが頻繁になったことで個人でも取扱いが容易になり、選択枠が広がったことは良いことですが、これに比例して健康被害が起きています。
国内で製造販売されていれば一定の責任が発生すると考えられますが、海外からの仕入れは海外業者との消費者契約に基づく流通となるので、万が一健康被害が発生しても責任を問う事ができません。
最終的には製造元のモラル次第となってしまう訳ですが、その製品の取扱いを控えることや流通させない等、健康食品業界を健全で透明性のあるものに維持するためには、個々の努力が必要となります。