医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器の広告に適用されます

医薬品等適正広告基準

(薬生発0929第4号 平成29年9月29日)

第1(目的)

この基準は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という。) の広告が虚偽、誇大にわたらないようにするとともにその適正を図ることを目的とする。

 

第2(対象となる広告)

この基準は、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイト及びソーシャル・ネットワーキング・サービス等のすべての媒体における広告を対象とする。

 

第3  (広告を行う者の責務)

1 医薬品等の広告を行う者は、使用者が当該医薬品等を適正に使用することができるよう、正確な情報の伝達に努めなければならない。

2 医薬品等の広告を行う者は、医薬品等の本質に鑑み、医薬品等の品位を損なう又は信用を傷つけるおそれのある広告は行ってはならない。

 

第4(基準)

1名称関係

(1) 承認又は認証を要する医薬品等の名称についての表現の範囲

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35 年法律第145 号。以下「法」という。) 第 14 条又は第 23 条の2の5若しくは第23 条の25の規定に基づく承認並びに法第 23 条の2の23の規定に基づく認証(以下「承認等」という。)を受けた名称又は一般的名称以外の名称を、別に定める場合を除き使用してはならない。 ただし、一般用医薬品及び医薬部外品においては、共通のブランド製品の共通部分のみを用いることは差し支えない。

 

(2)承認等を要しない医薬品等の名称についての表現の範囲

承認等を要しない医薬品等については、日本薬局方に定められた名称、法第14 条の9若しくは第23 条の2の12 の規定に基づく届出を行った一般的名称又は届け出た販売名以外の名称を、別に定める場合を除き使用してはならない。なお、販売名はその医薬品等の製造方法、効能効果及び安全性について事実に反する認識を得させるおそれのあるものであってはならない。

 

2 製造方法関係

医薬品等の製造方法について実際の製造方法と異なる表現又はその優秀性について事実に反する認識を得させるおそれのある表現をしてはならない。

 

3 効能効果、性能及び安全性関係

(1) 承認等を要する医薬品等についての効能効果等の表現の範囲 承認等を要する医薬品等の効能効果又は性能(以下「効能効果等」という。) についての表現は、明示的又は暗示的であるか否かにかかわらず承認等を受けた効能効果等の範囲をこえてはならない。

 

(2) 承認等を要しない医薬品等についての効能効果等の表現の範囲 承認等を要しない医薬品等(化粧品を除く。)の効能効果等の表現は、医学、薬学上認められている範囲をこえてはならない。また、承認を要しない化粧品の効能効果についての表現は、平成 23 年7月21 日薬食発第 0721 第1号医薬食品局長通知「化粧品の効能の範囲の改正について」に定める範囲をこえてはならない。

 

(3) 医薬品等の成分等及び医療機器の原材料等についての表現の範囲 医薬品等の成分及びその分量又は本質等並びに医療機器の原材料、形状、構造及び原理について、承認書等への記載の有無にかかわらず、虚偽の表現、不正確な表現等を用い効能効果等又は安全性について事実に反する認 識を得させるおそれのある広告をしてはならない。

 

(4)用法用量についての表現の範囲 医薬品等の用法用量について承認等を要する医薬品等にあっては承認等を受けた範囲を、承認等を要しない医薬品等にあっては医学、薬学上認められている範囲をこえた表現、不正確な表現等を用いて効能効果等又は 安全性について事実に反する認識を得させるおそれのある広告をしてはならない。

 

(5)効能効果等又は安全性を保証する表現の禁止 医薬品等の効能効果等又は安全性について、具体的効能効果等又は安全性を摘示して、それが確実である保証をするような表現をしてはならない。

 

(6)効能効果等又は安全性についての最大級の表現又はこれに類する表現の禁止 医薬品等の効能効果等又は安全性について、最大級の表現又はこれに類する表現をしてはならない。

 

(7)効能効果の発現程度についての表現の範囲 医薬品等の速効性、持続性等についての表現は、医学、薬学上認められている範囲をこえてはならない。

 

(8)本来の効能効果等と認められない表現の禁止 医薬品等の効能効果等について本来の効能効果等とは認められない効能効果等を表現することにより、その効能効果等を誤認させるおそれのある広告を行ってはならない。

 

4 過量消費又は乱用助長を促すおそれのある広告の制限

医薬品等について過量消費又は乱用助長を促すおそれのある広告を行ってはならない。

 

5 医療用医薬品等の広告の制限

(1)医師若しくは歯科医師が自ら使用し、又はこれらの者の処方せん若しくは指示によって使用することを目的として供給される医薬品及び再生医療等製品については、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告を行ってはならない。

 

(2)医師、歯科医師、はり師等医療関係者が自ら使用することを目的として供給される医療機器で、一般人が使用するおそれのないものを除き、一般人が使用した場合に保健衛生上の危害が発生するおそれのあるものについても(1)と同様にするものとする。

 

6 一般向広告における効能効果についての表現の制限

医師又は歯科医師の診断若しくは治療によらなければ一般的に治癒が期待できない疾患について、医師又は歯科医師の診断若しくは治療によることなく治癒ができるかの表現は、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告に使用してはならない。

 

7 習慣性医薬品の広告に付記し、又は付言すべき事項

法第50条第11号の規定に基づき厚生労働大臣の指定する医療用医薬品について広告する場合には、習慣性がある旨を付記し、又は付言しなければならない。

 

8 使用及び取扱い上の注意について医薬品等の広告に付記し、又は付言すべき事項

使用及び取扱い上の注意を特に換起する必要のある医薬品等について広告する場合は、それらの事項を、又は使用及び取扱い上の注意に留意すべき旨を、付記し又は付言しなければならない。ただし、看板等の工作物で商品名のみを広告する場合はこの限りではない。

 

9 他社の製品の誹謗広告の制限

医薬品等の品質、効能効果、安全性その他について、他社の製品を誹謗するような広告を行ってはならない。

 

10 医薬関係者等の推せん

医薬関係者、理容師、美容師、病院、診療所、薬局、その他医薬品等の効能効果等に関し、世人の認識に相当の影響を与える公務所、学校又は学会を含む 団体が指定し、公認し、推せんし、指導し、又は選用している等の広告を行ってはならない。ただし、公衆衛生の維持増進のため公務所又はこれに準ずるものが指定等をしている事実を広告することが必要な場合等特別の場合はこの限りでない。

 

11 懸賞、賞品等による広告の制限

(1)過剰な懸賞、賞品等射こう心を煽る方法による医薬品等又は企業の広告を行ってはならない。

 

(2)懸賞、賞品として医薬品を授与する旨の広告を行ってはならない。ただし、家庭薬を見本に提供する程度であればこの限りではない。

 

(3)医薬品等の容器、被包等と引換えに医薬品を授与する旨の広告を行ってはならない。

 

12 不快、迷惑、不安又は恐怖を与えるおそれのある広告の制限

広告に接した者に、不快、迷惑、不安又は恐怖を与えるおそれのある表現や方法を用いた広告を行ってはならない。特に、電子メールによる広告を行う際は、次の方法によらなければならない。 (1)医薬品販売業者の電子メールアドレス等の連絡先を表示すること。

 

(2)消費者の請求又は承諾を得ずに一方的に電子メールにより広告を送る場合、メールの件名欄に広告である旨を表示すること。

 

(3)消費者が、今後電子メールによる広告の受け取りを希望しない場合、その旨の意思を表示するための方法を表示するとともに、意思表示を示した者に対しては、電子メールによる広告の提供を行ってはならないこと。

 

13 テレビ、ラジオの提供番組等における広告の取扱い

(1)テレビ、ラジオの提供番組又は映画演劇等において出演者が特定の医薬品等の品質、効能効果等、安全性その他について言及し、又は暗示する行為をしてはならない。

 

(2)テレビ、ラジオの子ども向け提供番組における広告については、医薬品等について誤った認識を与えないよう特に注意しなければならない。

 

14 医薬品の化粧品的若しくは食品的用法又は医療機器の美容器具的若しくは 健康器具的用法についての表現の制限

医薬品について化粧品的若しくは食品的用法を又は医療機器について美容器具的若しくは健康器具的用法を強調することによって消費者の安易な使用を助長するような広告を行ってはならない。